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生意気な安楽椅子


写真商品名
安楽椅子探偵アーチー (創元推理文庫)
 2003年に出た単行本の文庫化。4つの短篇が収められている。
 安楽椅子を探偵役に据えてしまったとんでもないミステリ。一歩間違えれば馬鹿ミスになるところだが、そうでもなく、きちんとした正統ミステリに仕上がっている。
 ただ、ミステリとしての出来映えはいまいち。トリックに見るべきものはなく、安楽椅子を探偵にしたというインパクトだけで終わってしまっている。小学生を主人公に据えるという方向性も中途半端。
 著者はスパイものが好きだったのだろうか? 本書には2つも収められているが・・。
引用元:生意気な安楽椅子

原沙織

◆「多すぎる証人」

 ▼あらすじ

  とある団地で殺人事件が起きた。

  たまたま、ママさんバレーのメンバーが犯人らしき人物を目撃したのだが、
  全員の証言がそれぞれ微妙に食い違っていて……。



 ▼感想

  探偵役は脳性マヒの十四歳くらいの少年・岩井信一。

  知り合いの刑事から事件の話を聞いた彼が、カナタイプで
  答えを書くという〈安楽椅子探偵もの〉です。


  証言が食い違ったのはなぜなのか?

  そして、被害者の男が死の直前、ママさんバレーに参加していた
  妻に子どもを頼むといった意味の言葉を遺したのはなぜなのか?


  信一は、食い違う発言を照らし合わせ、そこに法則性が
  あることを見抜き、犯人特定の論理を導き出します。


  物語の結末は、時代劇の人情裁きを彷彿させ、普通なら陳腐に感じる
  ところですが、障害を持つ信一が探偵役を務めていることで重みと
  説得力を与えています。


  良識ある大人が子どもに向ける温かな眼差し。
  そして、上質なユーモアに包んで提示される社会的な問題意識。

  ニヒリズムやシニシズムに淫しがちな日本人には珍しい、成熟した作風です。
  
引用元:

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