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サブプライムローン問題を軸に、世界経済の大きな潮流の変化をわかりやすく解説


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サブプライム後に何が起きているのか (宝島社新書 270) (宝島社新書 270)
「20世紀は、グローバリゼーションが経済、企業を変えた。21世紀は、グローバリゼーションが政治のリーダーシップのあり方を変えるだろう」。

本書では、サブプライムローンについての説明に多くを割いている。その解説は、新聞や雑誌だけでは断片的にしかわからなかったことを、背景からしっかり解き明かしてくれていてとてもわかりやすい。だが、本書を薦める一番の理由は、それだけではない。さらに筆者は、サブプライムローン問題を軸に、複雑な経済構造の変化や問題点を解説しながら、世界経済の大きな潮流と現在進んでいる変化について、わかりやすく読者に示してくれる。コンパクトな見た目以上に、優れた著作である。

「外圧にいわれるままに、自由化を実施した日本の金融自由化が何をもたらしたか。中国は、日本の失われた13年に学んだのだ」。お金の流れという視点からみた中国の動向に関する分析と解説は明快で説得力がある。また、日本人にはもうひとつまだ具体像が理解しにくい、肥大化するイスラム金融の解説とそれが世界経済に及ぼしつつある影響についても丁寧に説明してくれている。当然、日本の将来にも客観的な比較分析を行い、その将来についての提言を行っている。

世界経済の将来については、いろいろな仮説が可能であり、著者の考えだけをそのまま全面的に受け入れる必要はない。規模を拡大するEUについてはほとんど論じられていないし、中国と中東の扱いに比べて他の資源大国(ロシア、ブラジル、カナダ、オーストラリア)についての言及が少ない。食糧問題や資源の争奪戦が将来の世界経済の動向に及ぼす影響についてはあまり考えられていない。そもそも自由を知っている国の人たちが、経済力だけで中国やイスラム圏の覇権に従うということは考えられない。著者が歴史上の例として挙げているローマ帝国も、イギリスも、アメリカも、その経済発展は市民権の確立と密接な関係があったのだ。ただ、良い本というのは得てしてそういうものだが、読み終わってもいろいろ考えさせられるところが多く、参考になった。
引用元:サブプライムローン問題を軸に、世界経済の大きな潮流の変化をわかりやすく解説

夜咲蘭

サブプライム問題の背景から問題が深刻化した理由やプロセスを明確に示しているが、やや総花的なイメージが否めない内容である。筆者が複数の共著であることも影響しているのかもしれないが、問題の背景の説明や周辺部分に多くの時間を割いており、本質的な部分の説明が中途半端になっている。中途半端の意味は、直接金融の素人には、わかり難く、プロには、簡単すぎる内容という意味である。あまり直接金融に詳しくない人は、「サブプライム問題とは何か」春山昇華 宝島社新書を読んだ後に、詳細や周辺の知識を補足するのに読むと良いかもしれない。
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