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五月闇 刺客眠らず 祇園街


写真商品名
幕末 (文春文庫)
幕末の刺客の列伝。小説というよりはノンフィクションに近い印象。50-60年代のモダンジャズのような香りがする。あるいはブロニー版フィルムで撮ったモノクロ写真のよう。それぞれの短編の主人公がその標的を暗殺しなければならない必然性はいつのまにかどこかに行ってしまい、幕末のドロリとした、熱病に感染してしまったような熱く冷たい雰囲気が読み応えある。古代ペルシャでは刺客にハシッシという麻薬を与え続けておいてから暗殺を命じ、使命を終えて再び戻ってくるまで、麻薬を取り上げる暗殺教団があったが、この時代の麻薬は何だったのだろうか。
引用元:五月闇 刺客眠らず 祇園街

葉月ゆら

この本は、歴代の徳川将軍全15人にまつわる「知られざるエピソード」を、全80項目にわたって、Q&A方式で紹介しているのだが、内容的には、単なる雑学辞典の域を超えており、江戸時代ならではの人間劇を色濃く浮かび上がらせた、充実したエピソード集となっている。

今の世でいえば、幼稚園や小学校に通うような年齢で将軍となったり、政略結婚の相手を決められ、自らの人生を翻弄される将軍やお姫様。後継ぎを生ませるために何人もの側室を抱え、多くの子供をもうけながら、現代では考えられないような年齢で、次々に早世していく後継ぎ候補たち。世襲制度の中で現れてくるお飾り将軍の下で、幕政を取り仕切って、実権を握っていく側近たち。将軍の座とその側近の座を巡って繰り広げられる、凄まじいばかりの陰謀と暗躍。そんな権力争いの果てに、命を落とし、あるいは、失脚していく多くの人々。

この本では、そんな歴代徳川将軍全15人にまつわる裏エピソードがたっぷりと語られており、この本を読んでいると、大きな戦争もなく、天下泰平といわれた264年にも及ぶ江戸時代にも、歴代の徳川将軍や将軍を取り巻く人々それぞれに、徳川将軍の座を巡って織り成される、テレビ・ドラマ顔負けの波乱万丈の人間劇があったことや、江戸時代に生きた人々の、あまりにあっけなく散っていく命のはかなさなど、色々なことが見えてきて、考えさせられるのだ。単に面白いというだけでなく、読み応えも十分な裏エピソード集といっていいだろう。

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